【北海道財友会 悟讃撥第10号 寄稿】

予 算 の 山


 私の趣味は、山登りである。財政課は、季節労働的なところがあり、北海道でも夏場は大いに山登り三昧させていただいたが、10月下旬には札幌近郊の山々も冠雪し、11月になると山々は深い雪に閉ざされる。これと合わせるかのように当初予算の編成作業が本格化し、12月の定例議会が終了してから翌年1月中旬までは、財政課長も泊まり込みの作業となる。
 21世紀初の予算編成作業も北農健保会館で行われていたが、私の宿泊部屋は西向きの最上階。朝起きて窓の外を眺めると、朝日に照らされた真っ白な山々が連なっている。その中でもひときわ目につくのが、ちょうど正面にそびえ立つ「百松沢山」であった。通称、三段山とも呼ばれ、札幌市街地の近郊にあるにもかかわらず、千メートルを超える高さを誇る。

 毎朝、起きると白く輝く百松沢山を眺め、予算が片づいたら是非登りたいという気持ちを温めていた。しかしながら、百松沢山には登山道がない。積雪期に登るしかないのである。そのチャンスは3月末に訪れた。2001年3月25日、西山氏(農政部次長)、西田氏(政策室参事)とともに春の残雪を踏んで百松沢山へ登ることになった。西区福井の源八沢から、急な坂を登りつめ、シルバーザッテルと呼ばれる緩やかな開けた斜面に出て振り返れば、眼下に札幌市街地が広がる。そして標高1,043mの山頂からは、まさに360度の大パノラマを満喫することができた。
 さて、話を平場に戻すが、山のつき合いは議会対策でも役に立った。財政課長は、会派を超えて調整に当たらなければならないが、特に北海道議会に山岳議員連盟が結成されたことは、実に有り難かった。山岳議員連盟は、道議会すべての会派から議員の参加を得て超党派で発足。当時の議員連盟会長は民主党の鈴木泰行議員会長、自民党からは高橋定敏建設委員長など錚々たるメンバー。民主党の滝口道議、公明党の稲津道議、共産党の山根道議などの先生方とも、道内のいろいろな山に御一緒させていただいた。道議会ゴルフコンペでは、釣部議運委員長、小原出納長、青木観光局長という素晴らしいメンバーに恵まれ、運良くベストスコア90を出すことができたが、山登りのほうも、北海道にいた3年間で道内百名山を踏破するという快挙を成し遂げることができた。
 私にとって 北海道にいた3年間は、かけがえのない想い出である。